2010年10月11日

成功ルールが変わる!

成功ルールが変わる!―「カラオケ資本主義」を越えて

成功ルールが変わる!―「カラオケ資本主義」を越えて

  • 作者: ヨーナス リッデルストラレ
  • 出版社: PHPエディターズグループ
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本



『ファンキービジネス』で一躍有名になった二人のスキンヘッドのストックホルム経済学者。
本書も独特の視点から、本質をくすぐられているような気がしてきます。

エクセレントカンパニーを研究して、優れた経営手法をベンチマークとして経営に取り入れていくことはこれまで多くの企業が行ってきました。
トヨタ自動車のカンバン方式やGEのシックスシグマ等は有名ですが、これはこれで一定の成果があがってきました。
しかし、これはカラオケボックスで他人の歌を歌っているに過ぎないのです。(実にユニークな表現!)

今の時代、大きく成長する企業・人は、模倣はしません。
ベンチプラクティスを取り入れることも、過去のフレームワークを再利用することもしません。
(研究して参考にすることはあるかもしれませんが。。。)

googleやデルはオリジナリティを存分に発揮して、急成長しました。
デルはこれまでなかったバリューチェーンを開発しましたし、googleに至っては既存のフレームワークにどうあてはめることは難しいです。

野茂は当時の野球界の常識を覆して渡米し、日米200勝という偉業を達成しました。
イチローは4番バッターを目指すのではなく、こつこつとヒットを積み重ねることで世界の頂点に立ちました。

ただ模倣をやめればいいわけではありません。
裏づけとなる技術(ITの技術や野球の技術)が必要です。
世阿弥の言う、「守・破・離」の『離』を目指すということでしょう。

革新の重要さは、今日まで何度となく強調されてきています。
このことについて、本書ではこれまでとは違ったユニークな視点からいい意味での刺激をたくさん受けました。
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2009年10月04日

ネクスト・マーケット


ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)

  • 作者: C.K.プラハラード
  • 出版社: 英治出版
  • 発売日: 2005/09/01
  • メディア: 単行本



一日2ドル未満で生活する人々を「BOP (Bottom Of the Pyramid、経済ピラミッドの底辺)」と定義しています。
富裕層に対するビジネスがますます注目されている一方、BOPは軽視されてきました。
それもそのはず、BOPには購買力がないためビジネスとして成り立たないという先入観があります。

しかし、BOPは元々「貧しいがゆえの不利益」を被っており、そこにビジネスチャンスがあったのです。
BOPは世界に50億人いると言われ、潜在的購買力は高いと言えます。
だが、大企業のビジネスなら、「貧しいがゆえの不利益」を打破することができる。たとえば、ダラビの貧困者は、地元の貸金業者からお金を借りるために600〜1000%の利子を支払っている。であれば、この市場に参入する銀行は、25%の利子で貸し付けることでビジネスとして成功できる。この25%という利子は一見法外に思えるかもしれないが、BOPの消費者にしてみれば、銀行が参入することで利子が24分の1に激減することになる。したがって、彼らは地元の貸金業者との利子の違いに目を奪われる。そして銀行は、リスクを従来の経済ピラミッドの上層にいる顧客より10%高く調整するだけで、十分妥当な利益をあげることができる。なお、彼らのリスクは富裕層とあまり変わらないということをあとで述べる。
同じ経済状態でのなかで、BOPの消費者と裕福な人々で生活コストに格差ができる理由は、「非効率的な販売網と地元の中間搾取業者により、貧しいがゆえの不利益を強いられている」という事実だけで十分である。こうした問題は、組織化された民間企業がBOPの人々を「顧客」に変える決断をすることで、簡単に解消される。規模、オペレーションの幅や経営管理のノウハウを投入すれば、企業自身も、潜在的消費者も、効率よく動けるようになる。

もちろん単純にはうまくいきません。
「貧しいがゆえの不利益」が生じる原因の一つに情報の格差があります。
情報が少なく教育水準も低いために、「貧しいがゆえの不利益」にも気付かないか、何もできないでいるのです。
インドの40%以上の地域は「メディア・ダーク」である。つまり、この地域の消費者には、商品やサービスのメリットをテレビやラジオを使って教育することはできない。BOP市場を開拓するうえで、教育が必須であることは言うまでもない。

BOPには大きなビジネスチャンスがあります。
さまざまな障害を乗り越えた先に、大きなマーケットができあがります。

BOP市場における可能性とイノベーションを事実と事例をもとにまとめたのが、本書です。
市場が成熟しきっていて大きな伸びが期待できないと感じている大企業にとっては、特に役に立つアイデアではないでしょうか。
ここは、ブルーオーシャンです。
BOP市場におけるイノベーション12の原則
1 コストパフォーマンスを劇的に向上させる
2 最新の技術を活用して複合型で解決する
3 規模の拡大を前提にする
4 環境資源を浪費する
5 求められる機能を一から考える
6 提供するプロセスを革新する
7 現地での作業を単純化する
8 顧客の教育を工夫する
9 劣悪な環境にも適応させる
10 消費者特性に合うユーザー・インターフェースを設計する
11 貧困層にアプローチする手段を構築する
12 これまでの常識を捨てる
ラベル:インド
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2009年09月25日

幕末史


幕末史

幕末史

  • 作者: 半藤 一利
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 単行本



学校で教わる幕末以降の歴史はいわゆる薩長史観ですが、この本はそれとは違った歴史観で語っています。
半藤氏のテンポのいい語り口が、読者を幕末の時代へと引き込んでくれます。

私は司馬遼太郎の小説を通してこの時代に馴染みを持っています。
ヒーローは坂本竜馬であり、西郷隆盛であり、高杉晋作ら長州勢でした。主役は官軍なのです。
大政奉還を決断した徳川慶喜も英雄でした。

半藤氏は、歴史に新しい視点を提供してくれています。もちろん彼らが歴史上の重要人物であることは否定していません。

薩長は軍事クーデータを企てていたのに、無血の大政奉還を進めた坂本竜馬が邪魔だったから暗殺したと語っています。斬新な発想です。
そうであれば犯人が見つからないのは政府がもみ消したからだということになります。坂本竜馬は薩摩と長州を結びつけた張本人ですが、確かに最後は意見が異なっていました。

徳川慶喜も英雄というよりはよくつかめない人です。言動をころころ変えたり、戦わず逃げてしまったり。半藤氏は尊王の意識が強すぎて錦の御旗を相手に戦えなかったと解説しています。当時の幕府の戦力からして、慶喜が本気で先頭に立っていたら戦う可能性はあったはずです。
時代の流れを読む天才なのか、尊王の考えにしばられていたのか、ただの弱気なのか。本当のところどうなんでしょう。

勝海舟はもっともまともな人とされています。薩長は日本のためと言いながら、結局は倒幕で実権を握ろうというクーデータです。勝海舟だけは、幕府側にいながら本当に日本の明日を考えていました。海軍を編成し、西郷と会談して無血開城を実現しています。これは私たちの習う歴史通りです。

この時代は、(勝海舟以外は)はっきりとしたビジョンをもっていたのではなく、熱狂だったということです。
将軍がころころ変わった様子を、自民党の首相がころころ変わる今の時代に似ていると表現しています。政権交代の起き方も明治維新の熱狂(幕府に対する不信の爆発)に似ています。
民主党の政策・ビジョンが評価されたのではなく、自民党政治への行き詰まり感が爆発したのでしょう。幕末を見ているとこれでいいのかもしれません。大久保利通が中心になって近代化を進めたように、政権交代を機に新しい時代へと変化していく可能性があります。
しばらくは見守りましょう。
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2009年09月24日

一人実況中継

日経ビジネスAssocie Onlineの「イチローに学ぶ、プレッシャーに勝つ方法」の記事が興味深かったです。

イチローは先日9年連続200本安打という偉業を成し遂げましたが、その直後のインタビューで、WBCでの不振を乗り越えた話しがでました。
その時、なんだか自然に頭の中で始めているんですよ。『イチロー選手バッターボックスに入りました。さあ、緊張の一瞬。ピッチャー足が上がって第1球、投げたー』みたいに。そうしたら、なんだかとても落ち着いてきたんです。

この話しに妙に共感を覚えました。
私も時々実況中継というか、自分を客観視して頭の中で会話を行っていたりしています。口に出してしまうこともあって周囲からみると不気味でしょうが、ミーティングでの発言へのいい練習になるんですよね。

昔は自分でも変な癖だなと思っていましたが、意外と活用している人も多いようです。

古館伊知郎さんは何でも実況していたみたいです。親戚の葬儀さえも。もちろん心の中でです。
徳光和夫さんは電車から見える風景をずっと中継して通勤していたそうです。
アナウンサーであれば中継は本業とも言えるので役に立ちそうなのも当然なのですが、彼らは物事を客観的に話すことに関してはプロで、客観視する能力を伸ばすにはプロの練習方法を学んだ方がよいと考えています。

客観視する能力を持って自分自身を実況することが「一人実況中継」です。

Associe Onlineの記事ではプレゼン直前に行うことを勧めていますが、いきなりやろうと思ってもできるものではありません。普段から練習しておくのが賢明です。また客観視することによって、頭の中が整理されたり今まで見えなかったものが見えてきたりします。文章を書いてみるのと似たような効果を実感できます。
いろいろなシチュエーションを実況しましょう。

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 10/6号 [雑誌]

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 10/6号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社: 日経BP出版センター
  • 発売日: 2009/09/15
  • メディア: 雑誌



ラベル:イチロー
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2009年09月23日

鶏口牛後

鶏口牛後は中国の「十八史略」に出てくる逸話です。

秦が強大になり、洛陽の蘇秦は秦に仕えようとしましたが採用されませんでした。そこで燕に行って、秦以外の六国が手を組んで秦に対抗することを説いて回ります。
その時のセリフが「鶏口となるも牛後となるなかれ」です。

大集団についていくのではなく、小さな集団でもいいので先頭に立って進もうということですね。
忘れてはならない心構えです。

言うのは簡単ですが、平凡に過ごしていると大きな力のあるものについて行きがちです。

今年政権交代が起きて鳩山由紀夫総理が誕生しましたが、鳩山氏は自民党を抜けて、鶏口となってきたわけです。弟はいつの間にか自民党に戻っていますが。
今夏の選挙での民主党の勢いはすごすぎました。自民党への不信の表れなんでしょうが、自民党と民主党とみんなの党との政策の違いはどこまで理解されたのでしょう。民主党が何となく牛になりそうだからということで民主党に流れて行った人は多いです。いわゆる無党派層です。
選挙のニュースでは、無党派層の取り込みがいかに大事かを丁寧に解説してくれています。
選挙に限らず一般論として、鶏から牛になるためには、牛後になってくれる人をいかに集めるかが重要なのですね。それが鶏口の魅力だったり、鶏の勢いだったり、牛への批判だったりするのでしょう。

「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」なんてタイトルの本がありますが、有名企業のやっていることをただまねるのではなく、オリジナリティを発揮しないといけません。グーグルもオリジナルの技術を磨きながら、反マイクロソフトを標榜してきました。
秦人諸侯を恐喝して、地を割かんことを求む。
洛陽の人蘇秦といふもの有り。
秦の恵王に游説して、用ゐられず。
乃ち往きて燕の文侯に説き、趙と従親せしめんとす。
燕之に資して、以て趙に至らしむ。
粛侯に説きて曰はく、
「諸侯の卒、秦に十倍す。
力を并せて西に向かはば、秦必ず破れん。
大王の為に計るに、六国従親して以て秦を擯くるに若くは莫し。」と
粛侯乃ち之に資し、以て諸侯を約せしむ。
蘇秦鄙諺を以て諸侯に説きて曰はく、
「寧ろ鶏口と為るとも、牛後と為ること無かれ。」と
是に於いて、六国従合す。


十八史略 (講談社学術文庫)

十八史略 (講談社学術文庫)

  • 作者: 竹内 弘行
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫



グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)

  • 作者: 夏野 剛
  • 出版社: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書



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